wind’s book

物語の中の私が、才能を求めて愚かな一ページをめくるお話

運と才能と努力だけ。

新しいあさが来た。瞬く間にその照りつける惑星が目に入る。ほおがフッと上がる感覚を覚える。そんな朝。


手を天に掲げて、思いっきり足を振り上げて体を起こし、このまつ毛が目に入るのを感じ、思い切り手を使って擦る。


窓の外には、いつもと変わらない、ビル、ビル。


そんなビル群が端っこに見えるが、しっかいの6分の5は目の前のマンションの聳え立つ大きな一枚壁。


その壁を見ては、肩を落としてしまう。


閉塞感、その壁から抜け出せないような、そんな感触がある。


私は今、しがないクリエイターをやっている。


世間には才能がない、そう言い続けられているが、本質は違う。


思考の問題だ。


どれだけ小さい頃から人を楽しませたいと、そう感じていたか。


どれだけ小さい頃から、映像作品や本、作品を楽しんだか。


小さい頃からどれだけ人と考えて、もしくは直感的であれど面白い話かたをする機会があったか。


どれだけ小さい頃から、言葉に触れて、言葉の言い換えをしていたか。


どれだけ小さい頃から、審美眼を磨き、自分を見つけ、こだわりや価値観を定めていたか。


どれだけ小さい頃から、自分の作品を作っていた、もしくは作品を作るための勉強をしていたか。


齢10までに性格は全部決まるらしいから、私はもう手遅れだってことに気づいた。


10歳までに作られたこのヘドが出るような性格は、残念ながら変えられないらしい。


小さい頃からやっていたYouTubeも、10年経った今の100人しか登録者がいない。


 高校の時に書いた小説は、佳作にも引っ掛からなくて、何を書こうにもクソみたいな設定しか思いつけなくて。


語彙力はないない叫ぶだけ。実際に何かやったことも無く。


何事も三日坊主な私に、できることはなかった。

 

私には、「努力する才能」がないから、「持っている才能」すら開花できずに人生を終わるんだな…。