wind’s book

物語の中の私が、才能を求めて愚かな一ページをめくるお話

誰のために

若かりしころは

いつも頭に

イデア 無限湧きして

降ってきて


言葉がわかって

使命がわかって

力を半減させるんだ

そーゆーもんさ


テストに運動なんでもできる陽キャの僕

1番のアイデンティティ

ならクラスでバカなインキャのあいつは

いつも何をしているのだろう。


将来も決まった

真面目に答えて

心は見ないふり

あいつのそのいっしゅんは

僕の一生なんだ。ああ。


神様どうもありがとう。

なんでもできる僕を

産んでくれたあなたに

感謝の意を

きっと大手大学で成功して

お母さんたちに褒められて

いつか立派な薬剤師


いやお母さんは医者になって欲しいんだ

じゃあ、いつか立派な医者になる


同窓会だ。

みんな知ってる。

クラスで一番の人気者

今僕は医者で年収も高い

きっとまた

ちやほやされるんだ


飲み会の悪ノリ

年収自己紹介。

僕は自信満々で話した。

ところが僕の

隣のインキャは

僕よりも年収高かった。


「仕事何してるの?」

「YouTuber」

「登録者は?」

「10000はいる」

「なんでそんな儲けているの?」

「学生の時蓄えてたから」


神様どうも不公平さ

なんでもできた昔の僕は


ろくじゃないあいつに取られたし

みんなちやほや、

成功したらしいな

立派なあいつを褒め称える僕より劣ったあいつら


知らなかっただけなんだ

薬剤師も医者も、AIに取られ

ふとあいつのチャンネル見てみたら

えげつないほどの同接が

彼を

彼だけをみてるんだ


学生の時に彼はすでに遠くて近い将来を

見据えていた


彼は成功者

僕は失敗作だ


「次はこの人!

1000円スパチャありがとう!

同級生だった人がどんどん力をつけていて辛いです。

学校に従って生きてきたから何をしたらいいかわかりません。


うーん、常識、捨ててみたら?」

 

常識ってなんだ?