wind’s book

物語の中の私が、才能を求めて愚かな一ページをめくるお話

Sleeping door

歩いて向かう先は逆光に塗れた扉。


朦朧とした意識は僕に危険信号を垂れ流す。


手を伸ばしてノブを捻ろうとしても、その手は空を切った。


頭に流れるストーリー調のそれは、その向こうへ向かうのを後押しした。


最初は考える頭しかなかったが、そのありふれた頭すら回らなくなって、


でも嫌な感じはなかった。


足を進めていくごとに倦怠感は増していって、


あといっぽ。僕に言い聞かせながら丁寧にその道を歩んでいく。


あとすうほ、あと4、3・・・。


目の前の扉に手を伸ばしたら、足元に感じる浮遊感。


雲の上を歩いているみたいな、ふわふわした感触。


目の前に何かを宿したドアが見える。


俺の使命は、このドアを壊すことだ。


頭の中で僕がつぶやく。


壊せばいいの?


壊せばいいの。


もはや霧掛かった視界をフル活用して、


そこに向かう。


ドアに手をかけて、


開けた

 

 

その先に広がっていたのは、


大きな白い何かだった。


それが何を意味するかはわからないけど。


手足は土色にちぬれていた。

 

 

ながい長い


「あ〜あ」

 

ーーーーーーーー

 

解釈はご自由に。